様々な創作物があるから今がある

現代の様々な創作物の表現は、過去の創作物の積み重ねで成り立っている。

創作活動をする者の観点で考えると、「様々な創作物の積み重ねがあって今がある?! そんなこと知るか。俺には天性の才能があるし、いつも無から生み出すオリジナルだ」という主張はあるかもしれない。しかし世界各国の古代人によるシンプルな創作物を見れば、この話は理解が出来るはず。創作活動をする者は、他者の創作物を見て記憶して、それらの記憶を意識的、または無意識に土台にして、さらにそれまでに培ってきた経験を加えて試行錯誤して、自身の作品を完成させていく。
メモ 例えば北斗の拳を描いた原哲夫は、マッド・マックス2、ブレードランナー、遊星からの物体X、超人ハルク、フランク・フラゼッタ、ニール・アダムス、大友克洋、ブルース・リー等から着想を得ていたことを言及した。
メモ 創作活動をする者は、「様々な創作物の積み重ねがあって今がある?! そんなこと知るか。俺には天性の才能があるし、いつも無から生み出すオリジナルだ」という意識を持っているほうが、自身の画風になり、道が拓けるのでは、と考えている。ただし出版物やウェブサイトにてそのように発言したり、元祖原点生みの親第一人者を主張すると、いずれは文化史を詳しく知っている者からの反論を喰らうかもしれない。

創作活動をする者が「この作品からの影響は受けていない」と反論したとしても、絵の変化の時期\、作風、発表年、創作活動の経験年数等から、そうした言及を重要視しないこともありえる。
メモ 似ている傾向が見られる作品Cと作品Dがあるとして、作品Dは作品Cからの影響を受けているのではなく、2作品とも作品Bや、さらに年代が古い作品Aから影響を受けていることも考えられる。
メモ ある創作物と別の創作物との一致点を見つけて公表するならば、非難はせず、淡々としている美術史的な書き方が良い。
メモ 美術に興味が無い者は、ヒットした作品や人気がある作家を表現の原点にして語る傾向がある。


シンプルな表現は偶然の一致が発生しやすい

創作物は表現がシンプルになるほど、他者の創作物に似る確率が高くなる。

1920年代にドイツの画家オスカー・シュレンマーは、ウルトラマンに似ているバレエ舞台衣装をデザインした。さらに1939年にアメリカの雑誌 AMAZING STORIES の表紙にて掲載されたロボットの絵も、なんとなくウルトラマンに似ている。1340年に製作された SMITHFIELD DECRETALS にて描かれた絵は、スターウォーズのヨーダに似ている。

人物のポーズや動きについても、偶然の一致が発生することが考えられる。

東京オリンピック2020のマークのトラブルについては、アルファベットのTを土台にして極限までシンプルにした為に似てしまったことが考えられたが、サントリーのトートバッグでトラブルが発生して、デザイン事務所の説明には疑問が残った。


発注者からの依頼

絵を発注する者が参考作品を用意して、創作活動をする者にこの作品の感じで製作して欲しいと依頼することがある。当然ながら作品は、参考作品に似ている雰囲気になる。


時間に余裕が無い創作者

週刊誌の漫画を連載している場合は、1つの絵に試行錯誤する時間の余裕は無い。その為に他者の創作物を参考にして、アレンジを加えて完成させることがある。